こんにちは!
小さな会社の輸出を全力でサポートする海外販路開拓コンサルタントの有本です。
今回は小さな会社の海外展開戦略の考え方について書いてみようと思います。
海外展開を進める上で小さな会社は大きな会社と同じことをしていては勝てません。
というか大きな会社と同じことはできません。
大きな会社と違って小さな会社は社員が多くても20名くらい、海外業務は大抵社員の誰かが国内の業務と兼任で対応しているか、中には社長さん自ら多忙な時間を割いて海外業務を担当していたりします。
資金面でも小さな会社では余裕がないところが多いです。
このような大きな会社に比べて資金的にも人的にも経営資源に乏しい小さな会社には身の丈に合った方法で海外展開を行う必要があります。
商品が売れるまでの基本的なプロセスは国内でも海外でも同じです。
商品の存在を「知ってもらい」、「興味を持ってもらい」、「購入を決断してアクションを起こす」ことで初めて商品が売れる、ということですね。
会社として商品を売るためには、それぞれのプロセスに応じて適切な施策を行う必要がありますが、これは大きな会社でも小さな会社でも変わりません。
ただ、繰り返しになりますが、小さな会社には大きな会社のように資金的にも人的に経営資源がたっぷりあるわけではないので(むしろ非常に限られていることが多い)、大きな会社のようなやり方で海外展開を行うことはできません。
このため、本などで書かれているようなマーケティングやプロモーションをそのまま小さな会社が行おうとしても上手くいきません。
例えば、マーケティングの教科書には必ず、「海外展開を進める前に市場調査を行って、市場規模や現地の流通状況、消費者の動向や生活様式、競合他社の存在などを把握し、自社の商品が売れるかどうか、どの市場を攻めるか、などを分析すること」などと書かれていたりするのですが、実際にこれらのことをきちんと調査しようとするとかなりの費用と時間がかかります。
おそらく百万円以上はかかるでしょう。小さな会社にはとてもそのようなお金は出せません。
また、浅く断片的に調査して集めた情報が果たしてどの程度正確に市場の状況を映し出しているのかということになるとあまり信頼性はないと思います。
ならば市場調査はまったく不要かというとそうではなく、海外展開戦略を検討するための基礎となる仮説を立てるのに必要となるのです。
全く何も材料がない中では仮説自体が立てられませんが、断片的で浅くであってもある市場調査を行ってある程度市場についての情報が手に入れば、それをもとに仮説を立てることができます。
仮説に基づいて海外展開戦略を立案し、それをまずは実行してみて結果を検証し、効果がなければ別の施策を試していく、といった試行錯誤を地道に行っていくことが小さな会社にとって現実的な海外展開の進め方だと思います。
知ってもらうための施策についても大きな会社は多額の宣伝費を使って大々的に広告をだしたりテレビCMを流したりできますが、小さな会社にはとても無理です。
そこで、小さな会社としてはなるべく費用をかけないで商品のことを知ってもらうために、SNSを駆使して情報発信をしたり、メディアへプレスリリースを送ったり、商品レビュー記事の掲載を依頼したりといった戦略を取ることになります。
その場合でも、マーケティングの教科書にのっているような、「ペルソナを細かく設定して、そのペルソナの心理段階に合わせてコンテンツを作って発信し、投稿記事に対するアクセス解析を行って、コンテンツの内容を随時修正していく・・」といったきめ細かな運用は、人的リソースの限られている小さな会社ではとても無理です。
なので、SNSによる情報発信もある程度基本は押さえたうえで、できるところから少しずつ初めていき、慣れてきたらアクセス解析なども行って精度を高めていく、というやり方で良いと思います。
要は大まかな方向性さえ間違えないようにして、後は実際にやってみて、いろいろと試行錯誤しながら海外展開を進めていけば良いのです。
「小さな会社は身の丈に合った方法で」がポイントですね。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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